令和5年、新年のご挨拶

動機善なりや、私心なかりしか

順幸会理事長    上村晋一

新年明けましておめでとうございます。新型コロナ感染症によって令和2年から振り回され、令和3年および4年が過ぎ、新たなる令和5年となりました。如何お過ごしでしょうか。昨年は、父である上村順一会長が開設した上村医院の創立50周年の年でもありました。様々なご縁を頂いた方々に改めて感謝申し上げます。

昨年の干支は、壬寅(じんいん・みずのえとら)であり、壬は「陰気が極まって陽気が生じてくる」、寅は「万物が演然として地上に生ずる」意で一昨年の「辛丑」の諸問題などがいっそう増大し、それを処理する能力が求められる年ではなかったかと思います。身近な問題としては新型コロナウイルス感染症(オミクロン株)に、世界情勢でいえば昨年2月にロシア・ウクライナ紛争およびそれより派生した諸問題に当てはまったのではないでしょうか。

さて今年は癸卯(きぼう・みずのとう)です。安岡正篤先生によれば、癸は「物事をはかる」意で、卯は「草木が茂る一方で根がはびこって、こんがらがるとどうにもならぬ」意とあります。すなわち癸卯は「万事筋道を立てて物を考え、処理していく。それを誤ると混乱し、あるいはご破算にならぬとも限らない」意だそうです。先に挙げた問題は言うに及ばず、地域医療構想、医師の働き方改革、医師偏在などもきちんと今後も筋道を立てて処していくことは論を俟たないと思われます。良き年にするのは、私共一人ひとりに由ります。

京セラ会長の稲盛和夫氏が去る8月24日にお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。熊本地震から7年になりますが、稲盛会長の手がけた日本航空(JAL)の再興は、如何程ばかり当院復興の推進力となったことか。「動機善なりや、私心なかりしか。」、この地で病院を再開する決意の源になった稲盛氏の有名な言葉です。改めて本年はこの言葉を胸に心新たに職員一同一所懸命頑張り復興に邁進したいと愚考しています。どうぞよろしくお願い申し上げます。 最後に今年も中村天風翁の言葉で締めたいと思います。「新しき計画の成就はただ不撓不屈の一心にあり、さらばひたむきにただ想え、気高く、強く、一筋に。」

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